2022年１月８日（塚平）～金沢～（茅野）まで歩きました。

※コロナのオミクロン株の感染拡大による県外旅行が自粛となる前に茅野まで歩きました。

※（RO）＝写真の所にマウスのポインターを持っていくと違う写真が見えるロールオーバー効果が設定されています。

【JR富士見駅】		【透関馬頭観音】		【原の茶屋】
甲府から各駅停車で富士見駅に来て旅を再開しました。八王子から特急でここへ来る便もありますが、午前中は１便しかありません。ここから前回終了した塚平まで1.3Km歩いて旧甲州街道へ戻りました。		塚平から新しくできた太陽光発電所の脇を通って旧道へ出ると、少し旧道を戻ったところに透関馬頭観音があります。1780年春先のぬかるんだ道で難渋していた三井透関が私財を投じて新道を開削し、これを記念して建てた馬頭観音です。（RO）		旧道へ戻ると「原の茶屋」の標識があります。1772年松目新田の名取与兵衛がここに茶屋を出すと人家が増え、周囲の村と紛争が起こりました。高島藩は四十間四方（約72m）に築地を廻らせ、この中で茶屋を営むことを許可しました。

【富士見公園芭蕉句碑】		【明治天皇駐驛之處碑】		【明治天皇御膳水碑】
少し進むと富士見公園があります。明治44年（1911年）アララギ派の伊藤左千代等が監修して公園を造りました。園内には芭蕉句碑や左千代、斎藤茂吉の歌碑があります。		原の茶屋の中心地辺りに公民館があり、その前に明治天皇駐驛之處碑があります。1880年甲信地方巡幸の際、ここで休憩をした記念碑です。		記念碑の少し先に明治天皇御前水碑があります。原の茶屋ができて整備された湧水で、明治天皇巡幸の際、御前水として献上された記念碑です。

【旅館桔梗屋跡】		【石仏石塔群】		【三崎三方荒神】
御膳水碑の向かい側に旅館桔梗屋跡があります。明治から大正にかけて伊藤左千代、土屋文明、竹久夢二、斎藤茂吉、田山花袋など多くの歌人文人が訪れ、サロン的な所でした。		集落の外れに石仏石塔群があります。百番供養塔、庚申塔、道祖神、新しい男女双体道祖神などが立ち並んでいます。		旧道はカゴメ富士見工場の下を進みますが、工場敷地の隣にある民家の庭に三崎三方荒神碑が建てられています。食事を作る神聖な竃を守る神を祀っています。

【金山大権現】		【石仏石塔群】		【御射山神戸八幡神社】
旧道を少し進むと土手に金山大権現の石碑があります。鍛冶師の守護神で、槌のやり取りから夫婦和合の神ともいわれています。		旧道が次の集落に入る手前の土手に石仏石塔群がります。多数の馬頭観音群と真那以址碑、南無阿弥陀仏名号碑、一億百萬遍供養塔などが立ち並んでいます。		旧道が国道20号線と合流して少し進むと神戸八幡交差点に御射山神戸八幡神社があります。社殿脇のケヤキは樹高30m、推定樹齢390年の大木です。（RO）

【御射山神戸の一里塚】		【ゆるぎ石】		【金沢宿本陣跡】
神社の先、馬頭観音の所から旧道は左の坂道を進みます。そこに一里塚があります。両塚が残っていますが、西塚のケヤキは往時のもので樹齢400年、東塚は明治に植樹されたもの。（RO）		旧道を進むとEPSONのテニスコートの先にゆるぎ石があります。道路から斜面を覗くと縄が張ってある大石が見えますが、触ると揺れたと言われ、金沢宿入口の目安のでした。（RO）		再び国道と合流し、金沢の交差点の火の見櫓の下に明治天皇金澤行在所趾碑があります。金沢宿の本陣跡で、小松三郎左衛門の後、白川嘉右衛門が勤めました。（RO）

【松坂屋跡】		【中馬宿跡】		【如意輪観音】
本陣跡の少し先に松坂屋跡があります。宿場で一番の旧旅籠で、「旅館　HOTEL　松坂屋」と書かれた看板が残されています。（RO）		松坂屋の少し先の道路の反対側に馬宿跡があります。江戸時代中期以降商業物流が盛んになり、私設の荷物運搬問屋（中馬宿）が発達し、馬と馬方が泊まる宿として賑わっていました。（RO）		火の見櫓の先の旧道に如意輪観音が祀られています。本陣を勤めた小松三郎左衛門が隣の千野村（茅野）との山の所有入会権問題で立ち上がり、高島藩からここで処刑されました。宿人がこれを供養するために如意輪観音を建てました。（RO）

【権現の森】		【寒天の里】		【石仏石塔群】
国道が宮川に架かる金沢橋を越えた交差点に権現の森があります。武田信玄が開発した金鶏金山の守護神金山大権現を祀っています。武田氏滅亡後、鉱夫達が石祠をここに移しました。（RO）		権現の森の先、国道を離れて田んぼに沿った道を進んでいくと寒天を天気干ししている所がありました。寒天の里と呼ばれる所で、冬に零度以下になる気候を生かした特産品です。（RO）		清水橋バス停で国道と合流した後、貴船神社から旧街道は宮川沿いを進みます。宮川坂室交差点で県道197号線と合流した所に石仏石塔群があります。秋葉山常夜灯、出羽三山碑、三十三夜塔、馬頭観音等があります。

【酒室神社】		【鈿女神社】		【宮川寒天蔵】
県道を進むと、次の坂室交差点の北に酒室神社があります。御射山祭りの際に濁酒を造り、山の神に供える酒解子之神（さけとくね）が祭神です。		県道を約1Km程下った宮川交差点の先に鈿女（おかめ）神社があります。祭神は天照大神が天岩戸に隠れたとき岩戸の前で舞を踊った天鈿女命（あまのうずめ）で、福の神です。		鈿女神社の少し先に木造土蔵造り三階建ての建物があります。昭和初期に寒天の保管庫として移築されたもので、現在は多目的ホールとなっています。

【五味氏宅跡】		【木落し坂】		【JR茅野駅】
寒天蔵の前に名主を勤めた五味氏の邸宅跡があり、明治天皇茅野小休所碑が建てられています。明治13年明治天皇巡幸の際にここで小休しました。お供は三条実美や伊藤博文など300人とも500人ともいわれています。		JR中央本線の向こう側に御柱祭で知られる木落し坂があります。傾斜角約２６度のこの坂を八本の御柱が滑り落ちます。７年に一度行われるこの祭りは令和４年４月に行われます。		今回の旅は茅野駅で終わり、帰路につきました。寒天の里として知られる茅野の駅前には寒天のモニュメントが建てられています。

【（塚平）～（茅野）までの地図】

【道中日記】

このページを作成している１月末現在、コロナのオミクロン株による感染拡大が連日過去最高となり、まん延防止重点措置も全国的に実施され、緊急事態宣言も発出されようとしています。そうなると他県への移動自粛、不要不急の外出自粛などが求められるようになる恐れがあるため、１月８日この旅を実行しました。その後の経過を見ると、この日に行っておいてよかったと思いました。 　この日は何日か前に降った雪が所々に残る寒い日でしたが、よく晴れた気持ちの良い天気でした。ルートを見るとJR中央本線に沿った道なので、行程の立案はそれほど困ることはありませんでした。しかし、実際に歩くところは国道ではなく旧道が多いため、途中の食事や休憩場所を探すのが大変でした。昼食はJR青柳駅の近くで探しましたが見つからなかったため国道へ出てラーメン店かコンビニを探しました。寒かったのでラーメンを食べてたかったのですが、あいにくこの日は休みで、仕方なくコンビニでおにぎりを買って駐車場のひだまりで食べました。事前にインターネットの地図でこうした情報を探して心づもりはしていましたが、実際に行ってみないと分からないことも多くあるため、非常用におにぎりや菓子などをバッグに入れておくことも大切です。 　今回は茅野で終了しましたが、これでゴールの下諏訪まであと１２Kmとなるため、次回で甲州街道の旅は完結することになります。コロナ禍が早く終息して、安心して旅ができるようになることを願っています。