下高井戸へ

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【日本橋】	【一石橋迷子しらせ石標】	【東京駅】
日本橋から出発するのは東海道、中山道に次いで3回目です。橋の上に架かる高速道路を地下化しようとする検討が行われていますが、いつになるのか期待しています。「日本橋」の字は徳川慶喜が書いたものです。	日本橋を出発してすぐ先の交差点を右折して甲州街道は進みます。信号2つ先の呉服橋のたもとに一石橋親柱と迷子しらせ石標があります。この辺りは盛り場で迷子が多くいました。（RO）	街道は現東京駅の丸の内側への通路に入り、東京駅一番街を抜けて丸の内北側へ出ます。2012年改修工事を終えて創建当時の優雅な姿を取り戻しました。（RO）は丸の内北ドームです。

【日比谷見附跡】	【桜田門】	【井伊掃部頭邸跡】
東京駅を出て皇居のお堀端を国道１号線に沿って進み、日比谷交差点から右折します。日比谷公園の中に日比谷見附跡があります。江戸城外郭城門の一つです。	皇居のお堀に沿って進むと警視庁がある桜田門の前を通ります。1860年3月3日雪の朝時の大老井伊直弼が水戸浪士に暗殺された桜田門外の変があった所です。	桜田門から450m程先の国会前交差点に井伊家上屋敷跡があります。元加藤清正邸跡で、直弼はここから出発して徒歩７分ほどの桜田門外で暗殺されました。（RO）

【渡辺崋山誕生地】	【半蔵門】	【太田姫稲荷神社】
三宅坂最高裁判所敷地前に渡辺崋山生誕地案内板があります。江戸時代後期の蘭学者、画家の崋山は三河田原藩上屋敷で生まれました。（RO）	皇居お堀に沿って進んできた街道は半蔵門前から西進します。門外に服部半蔵の屋敷があり、家康は危機が迫った場合、服部半蔵の手引きで甲州街道中に逃れ甲府を経て駿府に至る逃げ道を考えていました。	半蔵門から200m程先の麹町1丁目交差点の南路地脇に太田姫稲荷神社があります。太田道灌の娘が天然痘を患った際、稲荷の霊験により無事平癒したことで祀った神社です。

【平河天満宮】	【四ツ谷見附跡】	【お岩稲荷田宮神社】
太田姫稲荷神社からさらに200mほど南に平河天満宮があります。太田道灌が江戸の守護神として勧進し江戸城内に建てましたが、家康が本丸修理の際にこの地に遷座させました。（RO）	国道20号線を西進するとＪＲ四ツ谷駅前に四谷見附跡の石垣が残されています。見附とは城門を守る見張り所で江戸城の周りの主要道路には56箇所の城門が設けられていました。（RO）	国道29号線をされに西進し、四ツ谷三丁目交差点から400m程南へ行くと四谷怪談で知られるお岩稲荷田宮神社があります。怪談話は鶴屋南北が200年後に戯曲化したものですが、実際のお岩さん夫婦は円満でした。（RO）

【四谷大木戸跡】	【水道碑記】	【内藤新宿記念碑】
四谷四丁目交差点に大木戸跡があります。向い側の四谷区民ホール横の空き地にも大木戸跡碑があります。甲州街道を通って江戸へ出入する通行人や荷物を取り締まるための関所でした。（RO）	大木戸跡碑の隣りに水道碑記が建てられています。大木戸の近くに玉川上水の取水口があり、水番所が置かれ上水の管理を行っていました。（RO）	区民ホールの先を左折すると新宿御苑大木戸門があります。その手前に内藤新宿開設三百年記念碑があります。ここから新宿三丁目交差点付近まで内藤新宿がありました。新宿御苑は内藤家の下屋敷跡です。（RO）

【旗洗池跡碑】	【笹塚の一里塚跡】	【塩硝蔵地跡】
新宿駅南口を経て国道20号線を進むと京王線初台駅の先に旗洗池跡碑が住宅街の中にあります。八幡太郎義家が後三年の役の後上洛する際にこの池で白幡を洗い、傍らの松に掛けて乾かした所です。	街道をさらに進むと京王線笹塚駅前に笹塚の一里塚跡があります。塚は笹に覆われていたために「笹塚」と呼ばれ、地名の由来になりました。日本橋より三里目です。	明治大学和泉キャンパス門の横に塩硝蔵地跡の案内板があります。この辺り一帯は江戸幕府の塩硝蔵があり、後に陸軍省火薬庫となりました。これがため1945年5月の空襲により一帯は焦土と化しました。

【日本橋～下高井戸までの地図】

【道中日記】

日本橋を起点とする街道の旅三番目の甲州街道歩きが始まりました。日本橋から東京駅を過ぎ、丸の内、皇居のお堀端を回り、半蔵門から四谷、新宿あたりは江戸の中心であり、見所も沢山ありますが、江戸城（皇居）以外当時の遺跡はあまり残されていません。しかし日比谷見附、四谷見附、四谷大木戸、玉川上水などの痕跡を辿ると家康が築いた江戸の町の壮大な都市計画の様子を想像することができます。またその後の首都東京の発展、関東大震災や東京大空襲の壊滅的な被害からの復興、現在の更なる都市の成長を感じながら街を歩いていくと、日本の歴史のダイナミックな流れを考えるようになります。東京への一極集中、地方の過疎化、都市間の格差など街道を歩くと見えてくるものが多くあります。甲州街道もゆっくり歩きながらこうしたことを考え、自分の足、目、肌で街道の昔と今を体感してきたいと思っています。